Wi-Fi 6Eは導入すべき?企業が失敗しないための導入ポイント

とくに急速に躍進するスタートアップを中心に、クラウドやSaaSの活用が当たり前となった今、業務の土台を支える通信インフラには、これまで以上の高速性と安定性が求められています。そうした中で注目されているのが、6GHz帯を新たに活用する「Wi-Fi 6E」です。本記事では、Wi-Fi 6Eの特長、導入による効果、および検討のタイミングについて、弊社の導入実績を踏まえてご紹介します。
目次
クラウド時代の業務を加速する!6GHz帯による次世代通信環境とは?
Wi-Fi 6Eは、大幅な進化を遂げた次世代の無線LAN規格です。最大の特長は、新たに6GHz帯という広い周波数帯域が利用可能になった点にあります。これまで主に使われていた2.4GHz帯や5GHz帯に加えて、混雑による干渉の少ない6GHz帯が加わることで、通信速度と安定性の両面で大きな向上が期待できます。
Wi-Fi 5やWi-Fi 6と比較すると、Wi-Fi 6Eでは通信の同時処理能力がさらに強化されており、多数の端末が接続された場合でも遅延や切断が起きにくくなっています。たとえば、オフィスビルや商業施設、学校など、同じ空間で何十台ものノートPCやスマートフォン、IoT機器が同時に稼働するような環境では、従来のWi-Fiでは通信帯域が逼迫しやすく、速度の低下や接続不安定といった問題が頻発していました。Wi-Fi 6Eは、新たな6GHz帯を使うことでこれらの混雑を効果的に分散させ、安定した高速通信を維持できるのが特長です。接続端末が多くなるほど、その効果はより顕著に表れます。
無線LANに求められる役割が高度化するなか、Wi-Fi 6Eは次の標準となるべき無線LAN規格として、今後のネットワーク整備において重要な選択肢となるでしょう。
Wi-Fi 6Eを導入する前に知っておくべき落とし穴と対策ポイント
Wi-Fi 6Eの導入にあたっては注意すべき点も存在します。まずすべての端末が6GHz帯に対応しているわけではない点です。Wi-Fi 6E対応のアクセスポイントを導入しても、接続する側のPCやスマートフォンがWi-Fi 6Eに対応していなければ、その恩恵を十分に受けることはできません。現時点では比較的新しいデバイスに限られるため、社内にある端末の対応状況を事前に確認することが重要です。

また6GHz帯の電波は5GHz帯や2.4GHz帯と比較して障害物の影響を受けやすく、たとえば壁や床といった構造物によって通信範囲が限定される場合があります。設置する建物の構造や使用環境に応じて、アクセスポイントの配置や台数を適切に設計しないと、かえって通信品質が低下する可能性もあるため注意が必要です。加えて、Wi-Fi 6E対応のアクセスポイントやルーターは現時点での市場価格がやや高く、導入時には一定のコストがかかることも考慮すべきポイントです。
こうした課題を踏まえると、Wi-Fi 6Eの導入は「最新だから導入する」といった姿勢ではなく、まずは自社の業務環境や利用実態を正確に把握し、導入の必要性を明確にすることが重要です。
その上で、端末の対応状況や建物構造、利用場所の特性に応じて、最適なネットワーク設計と導入支援を行うことが求められます。
Wi-Fi 6E、導入するならいつ?最適なタイミングと見極め方を解説
Wi-Fi 6Eの導入を検討するうえで重要なのは、いつ・どのようなタイミングで切り替えるかという判断です。必ずしもすぐに全拠点へ導入する必要はありませんが、今後の通信ニーズを見据えると、機器更新やオフィスのリニューアル、増員によるネットワーク環境の見直しといった「変化のタイミング」を生かすことが賢明です。こうした場面は、ネットワーク構成やアクセスポイントの設置を一新できる好機であり、Wi-Fi 6Eの特性を最大限に生かす環境を整えやすいタイミングでもあります。
また業務スタイルの変化からも導入の必然性が高まっています。テレワークの定着に加え、Web会議やクラウドベースの映像資料の共有、遠隔拠点との常時接続といった通信負荷の高い業務が増加している今、これまで以上に安定かつ高速なネットワーク環境が求められています。従来のWi-Fiでは対応が難しかった同時接続数の多さや映像伝送の遅延・画質劣化といった課題も、Wi-Fi 6Eなら大幅に改善できる可能性があります。つまりこれからの無線ネットワークは、単なる「接続手段」ではなく、業務の生産性や働きやすさを左右する「インフラ」として見直すべき時期に来ているのです。

そのうえで導入に向けて考えるべきなのが、パートナーとなるベンダーの選定です。Wi-Fi 6Eは高度なネットワーク設計や環境に応じたチューニングが必要となるため、単に機器を納品するだけでなく、導入から運用・保守に至るまで一貫して支援できる体制を持つベンダーが求められます。たとえば、ネットワーク機器と合わせてヒアリングや現地調査を行い、建物構造や業務実態に即した最適な構成を提案できるパートナーであれば、Wi-Fi 6Eの性能を最大限に引き出すことができます。
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MALUTOは導入にあたって、弊社ではWi-Fi 6E導入時に必要となる電波調査やネットワーク設計を、6GHz帯に対応した専用計測器を用いて実施しています。これにより遮蔽物の多いオフィス環境でも、実際の電波特性を正確に把握した上で、最適なアクセスポイントの設計が可能です。さらに設定代行やオンサイトでの技術支援にも対応しており、ネットワーク機器の導入に不慣れな現場でも安心して任せられる体制を整えています。
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導入後の運用においても、クライアント端末側が6GHz帯に対応しているかどうかを見極め、最大限のパフォーマンスを引き出すための設計・運用ノウハウも提供しており、初めてWi-Fi 6Eを導入する企業にとって心強いサポートとなります。
MALUTOはすでに全国で100社以上に導入されており、その多くは100~200名規模のオフィスやIT関連、メタバースなど高速・大容量通信を必要とする業種が中心です。とくに急成長を遂げるスタートアップ企業や、ネットワークの更新時期に差し掛かっている企業において、「これからの変化に備えるインフラ投資」としてWi-Fi 6Eの導入が選ばれています。
またMALUTOはWi-Fiにとどまらず、セキュリティ機器の導入やテレワーク環境の整備支援、SaaSとの連携を見据えたネットワーク構成の最適化にも対応しており、企業のICTインフラ全体をトータルで支援できる点も大きな魅力です。
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